春日井市中野町にある内科・呼吸器科・外科の「こばやしクリニック」

こばやしクリニック KOBAYASHI CLINIC愛知県春日井市中野町2-14-9 tel.(0568)36-2828
ホームご挨拶診療案内施設紹介特定健診アクセスお問い合せ
HOME > 病気よもやま話
病気よもやま話
気管支喘息 てなに?

気管支喘息(いわゆる喘息)は息が吐きにくいなどの呼吸困難やヒューヒューと呼吸をする時に音がする(これを喘鳴といいます)、咳 痰が出現します。このような症状は何らかの刺激によって、空気の通り道である気道が反応して、発作的に気道が狭くなるために起こります。しかし、そのまま自然に、あるいは薬物を使用することで、この反応がなくなり気道の狭窄が消失します。気道が狭くなるとは狭くなった場所で炎症を起こしているということです。炎症を繰り返すと、段々狭窄が消えることができなくなり、常に狭い状態となってしまいます。そのような状態で再び炎症が発症すると、一段と狭窄がひどくなり、呼吸困難などの症状がひどくなりひいては、自分で呼吸ができなくなり、最悪死亡してしまうことがあります。しかし、喘息を正しく診断して、正しくお薬を使用することで、症状や状態を改善し安定させることができます。


喘息は完全に治るのだろうか。

現在の考え方は完全に治るという考え方はありません。その理由は何年も症状がなくても、何かのきっかけで再び症状が出現することがあるために、医学的には完全に治る 治癒 という言葉を使いません。しかし治癒に近い状態があり、それを寛解と表現します。では、寛解とはどういう状態かというと、無治療で無症状、呼吸機能の正常な状態が2年以上続いた時を寛解といいます。


喘息はどうやって直すの

喘息を起こしたり、悪化させたりする因子(危険因子)があります。ハウスダスト、ダニ、ペットの毛(猫、犬、モルモット、ハムスターなど)、カビ、ゴキブリ、雑草(ブタクサ、ヨモギ、タンポポなど)、花粉(ハルガヤ、カモガヤ、アシ、スギ、ヒノキなど)、卵白、ミルク、大豆、小麦、ピーナッツ、トウモロコシ、米、ソバ、ゴマ、エビ、カニなどの食べ物があります。特殊なものでマイコプラズマというバイ菌やアニサキスという寄生虫、お薬(ペニシリン、アスピリンなど)やある種の職業が取り扱うものが危険因子としてあります。そのほかに可能性のある危険因子は、インフルエンザなどのウイルス感染、大気汚染、喫煙、運動、低気圧接近や雷雨などの天候、飲酒、精神的ストレス、妊娠、月経などがいわれています。
まずは、これらの危険因子をなくすことが大事です。排除できるものは排除し、できないものはできるだけ遠ざける、あるいは予防することです。また症状が軽いうちからお薬で対処することです。


どんなお薬を使うの

お薬には発作を起こした時に発作を抑える薬と、喘息の症状の軽減、消失、改善を目指し、その良好な状態を長く維持し、呼吸機能の正常化と維持を目的にしたお薬があります。
発作時のお薬には、短い時間作用する吸入β2刺激薬(当院ではメプチンエアー)があります。それを使用しても発作が治まらないときは、医療機関を受診して、吸入、皮下注射や滴静脈注射などを受けます。時として入院治療が必要な時もあります。
このような発作が起きないようにするのがもう一つのお薬です。これには抗炎症薬の吸入ステロイド、経口ステロイド、抗アレルギー薬と気管支拡張薬のテオフィリンや長い時間作用するβ2刺激薬があります。治療の中心は吸入ステロイド(当院ではオルベスコ、パルミコート、フルタイド)を使用します。症状の強さや、発作が起きる頻度やその症状に合わせてそのほかの薬剤を組み合わせてゆきます。症状が改善安定してくるとお薬はだんだんと減ってきます。場合によってはお薬なしで日常生活の注意だけで暮らすこともできます。
治療の中心となる吸入ステロイドの副作用に触れておきます。吸入ステロイドは全身性の副作用が少ないといわれていますが、高容量を長期に使用した時に出現する可能性があります。それは、副腎という臓器の働きが低下、骨粗そう症、骨折しやすい、白内障、緑内障、出血しやすい、皮膚が傷づきやすいなどです。多くの副作用はのどや口の中の副作用で、カンジダというカビはえる、声がかすれる、のどの違和感、不快感、味の変化などですが、これらは吸入後にうがいをすることで、ある程度予防ができます。


(参考資料:気管支喘息治療ガイダンス 大田健ら メジカルビュー社)
Copyright(c)2007 Kobayashi clinic.All Rights Reserved